資料 第102回看護師国家試験 解説
第102回看護師国家試験の傾向を読む
柴田 淑子
1
1前社会保険横浜看護専門学校
pp.584-588
発行日 2013年7月25日
Published Date 2013/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102442
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第102回国試の概観
厚生労働省は,第102回看護師国家試験について2013(平成25)年3月25日(月)に合格発表を行った。今年度の合格率は88.8%で(新卒者94.1%)過去3年ぶりの80%台であった(表1)。合格基準によると必修問題では昨年度と変更なく40点以上/50点(80%),一般問題状況設定問題は160点以上/250点(64%)で採点除外問題は1題もなかった(表2)。この結果は,第101回の合格率90.1%(新卒者95.1%),第100回の合格率91.8%(新卒者96.4%)と,このところ90%台が続くなかで,3年ぶりに迎えた80%台の結果であり多くの学校関係者を驚かせている。
第102回看護師国家試験は,新カリキュラムにおける出題では2年目を迎える。受験生を送り出す側としては,第101回を体験することで統合分野などの新たな分野における出題傾向もつかめ,加えて2008(平成20)年4月に出された『医道審議会保健師助産師看護師分科会保健師助産師看護師国家試験制度改善検討部会報告書』を基に学習指導を充実させることもできた。したがって,昨年に比較すると指導上の情報も多く,昨年のような漠然とした不安感は和らいだかに見えたが,当日試験終了後の受験生はやり終えたという達成感よりも,つかみどころのない不安に襲われたという。一様に「今までと傾向が違う」「難易度が上がった」と感想を述べている。果たして合格率が示す通り難易度は上がったのだろうか。
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