連載 Mail from USA 『JNE』を読み,世界の看護教育の流れを知る・44
看護スキルとしてのプレゼンテーション
喜吉 紘子
1
1ミシガン大学看護学部
pp.1080-1081
発行日 2012年12月25日
Published Date 2012/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102277
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●【シラバスセレクション】「看護学生のプレゼンテーションを救う:ペチャクチャ法」より
「ペチャクチャ(Pecha Kucha)」おしゃべりする。だらっと,リラックスしておしゃべりする様子が思い浮かびますが,これが「カラオケ(Karaoke)」「津波(Tsunami)」と同様に世界中に知れ渡っているとご存知でしたか? 私は今回のJNEの目次の翻訳をするまで知りませんでした。Pecha Kuchaとあり,まさか日本語? と思いながらも本文を確認して驚きました。Pecha Kuchaとは2003年に日本在中の二人の外国人建築家によって開発されたプレゼンテーション法でした。このPK法の特徴はプレゼンテーションの形式が厳しく決まっていることです。PK法では,どの発表も20スライド,各スライド20秒のペースと定められ,よってどの発表も6分40秒で終了します。PK法は,発表者がみなまったく同じ形式となるので,逆に開放的であるとクリエイティブな人たちの人気を得ているそうです。Webウェブサイトもあります(http://www.pecha- kucha.org/)。
マスターズ氏とホーランド氏は,この形式が看護学生のプレゼンテーションにも役に立つと考え,エッセーを発表しています。この筆者らの経験上,看護学生においても,時間とスライド枚数が厳しく制限されていることで,発表内容がさらに吟味され,無駄のない,結果的に充実した発表となったそうです。日本人ですと,ペチャクチャというと,ダラダラと話し続ける様子が想像されますが,ここでは時間制限のある要点を押さえたおしゃべりのようです。
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