特集 “特定能力”をもつ看護師の新たな役割とその人材育成
看護師特定能力養成が拓くさまざまな可能性
山田 静子
1
1藤田保健衛生大学医療科学部看護学科
pp.1022-1023
発行日 2012年12月25日
Published Date 2012/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102259
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NPから受けた衝撃と日本の医療事情の変化
今から25年前,フロリダで小児のナース・プラクティショナー(以下,NP)にお子様が受診した日本人夫婦と知り合いになりました。「アメリカでは看護師さんが検査して薬の処方もしてくれたよ」と聞かされました。アメリカでは40年以上前からNPが制度化され,さまざまな医療現場で,医師と連携,協働して活躍していたことを知りました。NURSEという単語が入るこの職種の人たちが実際の診断・治療(キュア)と専門的支援(ケア)の両面からアプローチをしている専門性の高い看護師であるということを後で知りましたが,衝撃的でした。当時の日本の医療事情では考えられない米国の医療実情を羨望したことを思い出しました。
あれから25年の歴史を刻み,日本の医療事情も少しずつですが,変化が見られるようになり,わが国においても看護職から発展した医行為の一部を担う欧米型のNPが報じられるようになりましたし,アメリカでNPとして活躍している本学の卒業生の存在も私の意識を高める機会となりました。
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