連載 「看護」を一生ものの仕事に 基礎教育で学ばせたい医療現場のリスクとその対策・2
医療機関はリスク(危険)がいっぱい
小川 忍
1
1公益社団法人日本看護協会
pp.970-974
発行日 2012年11月25日
Published Date 2012/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102246
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医療現場にあるさまざまな危険有害要因(リスク要因)を知る
医療機関には,さまざまな危険有害要因(リスク要因)が存在する。そのうち基礎教育のなかで重視されているのが感染症である。しかしながら,この他にも表1のように,化学的要因,物理的要因,エルゴノミクス的要因,社会心理的要因といったリスク要因があり,医療現場で働く以上は,医療従事者自らが,リスクの存在を十分に認識し,リスクを軽減する,リスク要因から身を守る,回避する,事故を予防するための知識,技術を身につけておかなければならない。
1999年に日本看護協会が実施した「病院看護基礎調査」において,「業務上の危険」に対する調査を実施している。調査では,「対処が必要な課題であることを認識しているか」「今までに組織的な対策を講じているか」に対して,表2のように病院の看護管理者が回答している。この調査結果をみても,感染症の多くが,「認識」「対策」ともにパーセンテージが高い傾向にあるものの,腰痛,シフトワーク,暴力等に関しては,「認識」は高いが「対策」にまで至っていないことが明らかにされている。
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