- 有料閲覧
- 文献概要
●【主な論文】「臨床への準備度合い:4年生の臨床経験」より
2月に入り寒い日が続いていることかと思いますが,少し時期を戻して感謝祭の話題にふれながら,学生の長期休暇の過ごし方についてお話ししたいと思います。11月の感謝祭近くになると,こちらは急に慌しくなります。こちらの人にとって感謝祭は日本の盆暮れのようなもので,各地にばらばらになっていても,この週末は家に集まり七面鳥など感謝祭にゆかりの深いご馳走を並べた食卓を囲みます。結婚している友人たちは,感謝祭は妻方の家族,クリスマスは夫方の家族とそれぞれをホリデーシーズン中にバランスよく義理立てする段取りをしたりします。学校ももちろん慌しくなり,火曜日の午後の授業は生徒の出席数が激減しますが,教員も頭のなかは帰り道の買い物の段取りと,レシピのおさらいでいっぱいなのが手に取るようにわかります。ですから臨地実習もこの週はせいぜい月曜日にやるかやらないか,ということがままあります。こちらの臨地実習指導は実習施設の実習指導員が行うので,スケジュールは実習指導員の都合に合わせることが多いのです。普段は週2回その施設に行っていても,プリセプターの感謝祭の予定に合わせて変更ということがあります。
Caseyらは独自に開発した尺度を使って,4年生の臨地実習への準備の程度の感覚を測定することを試みています。因子分析によると臨床問題解決能力,技術獲得,専門家としてのアイデンティティ,そして試行錯誤が学生の準備度の感覚に寄与している主な因子であることがわかりました。さらに,この学年は実習中に臨床的行動特性,役割開発,そしてキャリアプランに対しての指導を望んでいたことが明らかになりました。私が面白いなと思ったのは,彼らが卒業前から具体的にその後のキャリアプランを考えている点です。
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.