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はじめに
2003(平成15)年以降,都立看護専門学校(以下,都立看学)では,専任教員(以下,教員)の資質向上に向け何度か研修体系を修正し整えてきた。これらの研修体系を受けて,専門領域認定制度の創設,7校での授業研究,臨床研修,その他の研究活動を活発化させ,教員は自己の専門性を高め教育に反映させている。
臨床研修は,最新の医療現場にふれながら看護チームの一員としての看護を実践することによる学びを,講義や臨地実習指導に活かすことはもちろん,ケアを実践することで看護職としての喜びも実感できる機会となっている。また,授業研究では,授業の質を高め教育実践活動に活かせる,質の高い成果をあげている。授業研究はまた,そのプロセスのなかで教員一人ひとりの教育観にふれる機会となる。それゆえ,よりよい教育のために熱く活発な議論を行うことで,教員相互が刺激を与え,達成感のあるいきいきとした活動を行っている。
もっとも,これまで臨床研修や授業研究等で専門能力を高める努力は行っていたが,2006(平成18)年に作成された「看護教員のキャリア別達成目標」の1つひとつについての理解は,十分とはいえない現状であった。
2010(平成22)年に厚生労働省から出された,「今後の看護教員のあり方に関する検討会報告書」1)においては,看護教員が向上すべき資質の1つに「人として,看護職として学生等の目標となることができる人間性」があげられている。すなわち,人として看護職として教員として成熟していくこと,キャリア形成していく姿を看護学生にモデルとして示すことが求められている。そのためには,教員自身が主体的かつ自律的にキャリアを形成し,魅力ある人間性を培うことが必要なのである。しかし,教員としての自己の能力を適正に評価し,課題の認識と目標設定ができなければ,教員としてのキャリアを形成してくことは困難である。
今回,「看護教員の能力向上プロジェクトチーム(以下,PT)」の研修体系化ワーキンググループ(以下,WG)メンバーとして教員に必要な能力について再検討し,「専任教員のキャリア別達成目標」(表)について見直しを行ったので報告する。
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