第2特集 看護学生論文─入選エッセイ・論文の発表
エッセイ部門
卒業生から●『いのちを見つめた3日間』(第5回入選エッセイ)から3年
近藤 仁美
1
1聖マリアンナ大学病院看護部
pp.691-692
発行日 2010年8月25日
Published Date 2010/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101537
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知りたい,『看護学生論文』からいま臨床での進化
3年前になるだろうか。感激した面持ちの病棟師長から報告された,ある実習学生のレポートのことを今でもしっかりと記憶している。最後の実習で受け持ち患者さんを亡くした衝撃とエンゼルケアの際の感動。現場の看護師がごく当たり前に行っている「亡くなった後の,患者さんへの声掛け」を目の当たりにしたことによるものだった。「人間の尊厳は,亡くなった後までもナースによってしっかりと守られているのだ」と記述してあった。そして彼女,近藤仁美さんは『看護学生論文』に入賞した1)。新人看護師になって「あの患者さんのことは絶対忘れない」と誓った近藤さん。目まぐるしい1年が過ぎ2年目に再会したとき,「学生時代に受け持ち患者さんだったAさんのように忘れられない患者さんは,いたかしら?」と何気なく質問した私に,近藤さんは一瞬,驚き,悲しそうな顔をした。新人の1年間は,想像を超える出来事の連続だったに違いない。看護の現場に戸惑いながらも,『看護学生論文』から着実に進化し,発展していた。
『学生論文』発表の他の仲間たちも,それぞれに今どのようなときを迎えているのだろうか。
陣田泰子 聖マリアンナ医科大学病院ナースサポートセンター長
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