連載 大学ジャーナリストの取材ノートから・5
「2か月待てない」お金の事情―奨学金制度は明快なアピールを
石渡 嶺司
pp.429
発行日 2010年5月25日
Published Date 2010/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101468
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前回に続いて『進路図鑑2011』のこぼれ話を。ちなみに,正式書名は『時間と学費をムダにしない大学選び2011』(通称『ムダ選び』)に変更になりました。この『ムダ選び』,実は2009年版のタイトルでもありました。つまり,復活したことになります。年度版の書籍タイトルを何度も変えるのは出版業界広しと言えども私の本くらいでしょう。
今年の版で大きく変えた点の1つが,進路未定者向けの章構成です。2年間,『なりたい職業が分からない(進路未定)』だったのを『進路未定・お金がない!』に変えました。この章タイトルが示すように,奨学金や特待生,ローンや学生寮など,お金にまつわる話を大幅に増やしています。これは昨年の1年間で,高校生など読者から,奨学金事情のリクエストが非常に多かったからです。調べてみて私が驚いたのは日本学生支援機構(旧・日本育英会)の奨学金です。いや,同機構自体に問題があるわけではありません。しかし,奨学金の振込時期が6月なのです。そうなると3月までに支払う入学金は個人負担です。
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