連載 教育の地平線・16
「理学療法士(PT)は,寝たきりにも転倒骨折もさせません。誰かの『尊厳ある自立を達成する』専門職です」―チーム医療のために生まれたスペシャリストの教育観 半田一登さん
本誌編集室
pp.355-359
発行日 2010年5月25日
Published Date 2010/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101453
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PT教育はまず4年制,のちに大学化を
半田 私はかねて看護師さんと一緒に考えたい,学びたいテーマを持っています。1977(昭和52)年の段階で,日本学術会議からの勧告「リハビリテーション教育・研究体制」の中で,理学療法士(以下,PT)・作業療法士(以下,OT)教育について「現行の3年制各種専門学校による養成制度を学校教育法に基づく4年制大学における教育に改め,大学院課程を付置すること」(http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/08/10-15-k.pdf)とされていました。ところが政府は30年以上何の施策も打ち出さずにきています。そもそも1965年に理学療法士及び作業療法士法ができたとき,当時の厚生省としては,PT・OTは医療における主体性が強い仕事として臨床判断という重い職責を担うから,3年制専門学校でなく大学化からスタートしたかったのが,果たせなかったという経緯があるんです。いまや,医師でなくても,医療者全般が当たり前に医療の責任を問われる時代ですよ。
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