特集 ポートフォリオが花ひらくとき
プロジェクト学習・ポートフォリオ評価で学生に身に付く力―「学ぶ楽しさ,嬉しさ」を実感する教育への転換
糸賀 暢子
1
1あじさい看護福祉専門学校看護学科
pp.116-121
発行日 2010年2月25日
Published Date 2010/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101400
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
はじめに
21世紀,看護教育は看護実践力としてのコンピテンシー向上を掲げて幕開けした。それから約10年,看護教育はどこまでコンピテンシーを向上させる教育を実現できただろうか。看護基礎教育と臨床とのギャップ,看護実践力の低下を背景に,新カリキュラムにおいては,技術教育の方法,評価の見直しを求められ,ポートフォリオの活用も示唆された。
しかし,どのようにポートフォリオ評価を看護教育に取り入れたらよいのか,迷っておられる学校も多いと思う。本校においても,「学生を理論的操作に追いやり,学生が自力で考えることから逃避させ(中略)知識の鋳型に人間性をはめ込んでしまう」1)教育に疑問を感じながら,どのように看護教育を再構築すればよいのか,分からなかった。その答えは,2006年6月,鈴木敏恵先生との“必然的”な出会いの中にあった。それが,プロジェクト学習とポートフォリオ評価だった。
本校では,ベッドサイドで相手の健康と幸福の願いに寄り添う看護ができる学生を育てたい,との願いをもって,学生の講義・演習・実習の現状から,教育上の問題を明らかにし,意志ある学び,コンピテンシーの向上を目指した教育改革─プロジェクト学習とポートフォリオ評価─を行った。以下,本校での取り組みの経緯,実践内容,成果を述べる。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.