特集 難しくない「経営と管理」―看護教員にできること
私が考える「経営と管理」―学校経営と管理から学ぶ─自律と展望
石束 佳子
1
1京都中央看護保健専門学校教務部
pp.667-669
発行日 2009年8月25日
Published Date 2009/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101254
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
「経営とは,継続的・計画的に事業を遂行すること」「管理とは良い状態を保つように処置すること」1)と言われている。看護学校の経営・管理においてもこの2つの視点は重要であり,一教員といえども意識すべきことと考える。しかし,眼前の教育活動に追われ,学校経営や管理は管理職が行うものと決めている感がある。
今回,私は学校経営と管理について考える機会を得て,これまで,管理職者としてぶつかり悩んだ問題に,どう対処し,何を学んだかを振り返り,自己の経営と管理に対する考えや課題をまとめてみたい。
私は,医師である校長と看護職者の副校長,並びに経営母体である理事長を上司にもつ教務部長である。経営・管理において,大きな判断や責任を問われる立場ではない。そのことが,自分を甘やかし,優れた意思決定や効果的で適切な指示を与えるという点において,伸び悩んでいることを自覚している。
私を管理職者として育てようとしている人たちの期待に応えられていないことを心苦しく思うと同時に,それは,部下である教員を伸ばそうとする時に感じる困難と本質的には同じではないかと思う。専任教員であっても,教務部長であっても,自分に与えられた仕事を,自分の仕事と受け止め,主体的に取り組む自律性と,状況の変化を把握し,明確な展望に基づき対処する力の2つが,学校経営と管理に結びつく重要な要素ではないかと考える。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.