連載 東洋医学講座 鍼灸医学を中心に・12【最終回】
緩和医療における鍼灸治療
福田 文彦
1
1明治国際医療大学臨床鍼灸学教室内臓機能系鍼灸学
pp.1070-1076
発行日 2008年11月25日
Published Date 2008/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101072
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はじめに
「緩和医療」は,がん治療の初期段階から身体的・精神的苦痛を和らげるための医療であると定義されている。鍼灸治療は,緩和医療のすべての状況に対して有効というわけではないが,疼痛の緩和,がん治療による副作用の緩和など鍼灸治療の目的を明確にすれば,補完医療として緩和医療の一端を担えると考えられる。
イギリスのNICE(National Institute for Health and Clinical Excellence)(→)やSIO(Society for Integrative Oncology)(→)では,がん患者に対する鍼灸治療のガイドラインを作成している1-3)。
本稿では,鍼灸治療の緩和医療における特徴,効果が期待できる症状・できない症状・禁忌について述べる。
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