連載 私の一冊・37
一冊の本と月日を重ねる喜び
松本 悦子
1
1弘前学院大学
pp.566-567
発行日 2008年6月25日
Published Date 2008/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100950
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- 文献概要
私は専門学校や大学で社会学やメディア論を教えているのだが,最近,20歳前後の学生さんに,普段どんなメディアをよく利用しているかを尋ねると,返ってくる答えは圧倒的に「mixi」や「ブログ」が多い。かれらにとっては,朝と夜にそれらをチェックするのは当たり前であり,チェックしないと気持ちが悪く,「もはや習慣」だそうである。かく言う私も気になる人のブログは頻繁にチェックしている。「今日は誰に会った」「何を食べた」「家族とこんな話をした」などなど。初めは他愛ないと思っていても,次第に止められなくなるから不思議である。ブログなどインターネットを利用したメディアは,タイムリーに感動や情報を共有したり,何気ない日常の1コマを窺い知ることができたり,そういう点では素晴らしいツールであると思う。
しかし,しばらく時間が経ってから,もう一度見てみたい話題や写真があっても,「はて,誰の,いつの記事だったかな?」なんてことがある。あるいは,幸い思い出すことができても,時間が経っているとすでにアクセスできず,見ることができない場合もよくある。
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