連載 新カリキュラムを追って・8
精神障害者社会復帰施設における地域看護学実習展開の可能性―看護学生の精神看護実習における学びからの検討
太田 知子
1
,
結城 佳子
1
,
鈴木 敦子
1
,
小林 美子
1
,
坂田 三允
1
1名寄市立大学保健福祉学部看護学科
pp.319-323
発行日 2008年4月25日
Published Date 2008/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100901
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はじめに
統合カリキュラムにおける保健師教育の時間数の不足による卒業時の実践能力低下,保健師への志望動機の不足等が指摘されている。これを背景に,2009(平成21)年度から導入される新カリキュラムでは,保健師の衛生行政における実践力を高める目的で,衛生行政に関する科目の時間数増とともに実習時間の大幅増が盛り込まれた。しかし,看護系大学が急増した一方で,地域保健法施行後の統廃合による保健所数減少,市町村の合併や組織統合,介護保険法・障害者自立支援法等の施行による保健師の分散配置などから,教育機関では実習先の確保が困難な状況が,実習施設においては実習生受け入れが困難な状況が生じている。
2006(平成18)年度に短期大学から改組転換して開学した本学では,改組転換以前から在宅看護論のみならず,小児看護学,母性看護学,精神看護学領域において地域をフィールドとした実習を展開している。本稿では,精神障害者社会復帰施設(以下,社会復帰施設)における精神看護実習の実践から,社会復帰施設での地域看護学実習展開の可能性を検討してみたい。
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