特集 カリキュラム改正手続きをスムーズに行う―看護教育の質向上をめざして
第1部 カリキュラム改正をどう受け止めるか
「看護基礎教育の充実に関する検討会報告書」およびカリキュラム改正案をどう読むか
網野 寛子
1,2
,
池西 静江
3
,
永井 佳子
4
1東京都ナースプラザ
2前東京都立板橋看護専門学校
3京都中央看護保健専門学校
4北里大学保健衛生専門学院保健看護科
pp.12-19
発行日 2008年1月25日
Published Date 2008/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100839
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現行カリキュラム以降の医療や教育環境の変化
●訪問看護の発展
1997(平成9)年度の入学生から用いている今の教育課程は,国が法規(看護師等学校養成所指定規則)によって看護師基礎教育の方向性を示し,学校・養成所は独創的・主体的にカリキュラムを組み立てることができるようになったもので,現場主義という地方分権の思想を先取りした画期的な改正であったと記憶に新しい。それまでは科目まで詳細に規定されていたため,自由に考える余地が乏しかった。それが,領域ごとの内容を表記するにとどまり,かなりの部分を現場の裁量に任された。
また,このときの改正では,専門分野で精神看護学と在宅看護論を独立させたのが目新しかった。在宅看護論の中味は,慢性疾患を抱えた高齢者たちが増えるとともに年々充実し,実際,現場では,脱医療すなわち家庭が条件を整えれば,介護と医療の場になることが素直に理解でき,老人保健法の改正によって発足した訪問看護ステーションは,介護保険法によってしっかりと根づいたとも認識している。
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