増刊号 図解 診療基本手技 第2集
診療手技
注射法
成人の注射法
高見 茂人
1
1柳原病院・内科
pp.192-195
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402909680
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注射は,経口与薬に比べて,薬物が急速に,かつ消化液などの影響を受けずに,安定して吸収されるという利点がある.したがって,経口摂取が不可能な場合や,経口投与では薬効が期待できない場合(消化管での吸収障害,肝での代謝など)のほかに,薬剤の有効血中濃度を速やかに得て,また確実に維持したいときには,注射が行われる.
しかし,注射は医療事故のなかでトップを占め続け(事故全体の過半数),末梢神経麻痺,ショック,感染など重大な障害を引き起こす危険性がある.また,筋肉内注射の濫用による,小児における大腿四頭筋拘縮症の多発というにがい教訓は,安易な注射の適応に厳しい反省を求めることになった.
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