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はじめに
医療の高度化,患者のニーズの多様化に伴い,看護教育機関に対して,高度な看護実践能力を備えた看護職の人材育成が求められている。この社会的ニーズに対応するためには,これまで以上に教育内容や教授方法のいっそうの質的な改善を図り,学生が効果的に学習できる環境を提供していく必要がある。
特に,看護教育においてカリキュラムの重要な位置づけにある臨地実習は,実際の看護現場で行われる実践的な教育である。看護学生は患者や対象者に接することで多くのことを学び,看護実践能力を養うために有効な学習機会となっている。しかし,実習施設はいろいろな場所に点在し,大学と同等の学習環境(図書館やインターネット,情報機器)が必ずしも整備されているわけではない。そこで,この臨地実習においてe-learningを活用することで,学習環境を整えることになり,学習の質を高めることができると考える。
こうしたなか,大阪府立大学看護学部では,文部科学省の2005(平成17)年度現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)の「ニーズに基づく人材育成を目指したe-Learning Programの開発」事業に採択され,「看護実践能力の獲得を支援するe-Learning―臨地実習用ユビキタス・オン・デマンド学習支援環境の構築」というテーマで,企業との産学連携で3年間の取り組みを進めている。
私たちは,このプロジェクトを「CanGoプロジェクト」と呼んでいる。CanGoというネーミングは,「看護」「か(ca)・ん(n)・ご(go)」とかけており,Communication, Art, Nursing, Good Practices, Osaka Prefecture Universityの頭文字をとっている(図1)。
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