特集 新人職員研修で人はどう育っているか
医師卒後臨床研修の改革と新たな専門家像の創出―教育学の立場から
山口 恒夫
1
1信州大学教育学部
pp.135-139
発行日 2007年2月25日
Published Date 2007/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100612
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わが国の医師の卒後臨床研修制度の見直しは,1990年代にまで遡ることができる。国立の教員養成系学部で教育学の研究と教育に携わってきた筆者が,医師の卒後臨床研修に関わるようになったのは1998年からであるので,もう8年になる。筆者の勤務校である信州大学でも,医学部附属病院が新しい医師卒後臨床研修制度の構築に向けた取り組みの一環として,卒後臨床研修の指導医の育成プログラム(ワークショップ)を,附属病院のみならず地域の基幹病院の研修指導責任者などを対象として実施することになり,教育学の立場から加わってほしいとの要請もあって筆者が関与することになった。
医師の卒後臨床教育の見直しにはどのような背景があるのだろうか。医師の卒後教育の改革は,医学教育や看護教育にどのような影響を及ぼすのだろうか。そもそも「臨床教育」の目的とは何であろうか。本稿では,筆者が信州大学附属病院の卒後臨床研修プログラム改革の一端に関わりながら考えたことをも絡めて,これらの問題に迫りたい。
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