今月の臨床 周産期医療の崩壊を防ごう
産科医師を増やすための方略
2.卒後臨床研修制度
金井 誠
1
,
小西 郁生
1
1信州大学医学部附属病院産婦人科
pp.274-281
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101142
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新卒後臨床研修制度の概略
従来の臨床研修制度では,研修医の7割が大学病院,3割が臨床研修病院で,多くは単一診療科によるストレート研修を行い,出身大学関連での研修が4割程度であった.2年間の臨床研修は努力規定であり研修内容や研修成果の評価が十分でないといった問題や,専門の診療科に偏った研修,研修医への処遇が不十分でアルバイトに追われ研修に専念できないといった問題が指摘され,平成16年度より新たな医師臨床研修制度が施行された.基本理念は,医師としての人格を涵養し,プライマリーケアの基本的な診療能力を修得するとともに,アルバイトをせずに研修に専念できる環境を整備することとされている.2年間の初期研修が必修化し,従来のストレート研修からスーパーローテート研修へ移行したことと,全国の病院の中から希望する病院を自由に選択し研修医の希望と採用試験での成績がコンピュータに登録されて研修先が決定(マッチング)することが最大の特徴である.
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