扉
忘れ得ぬ先達
竹内 一夫
1
1杏林大学脳神経外科
pp.865-866
発行日 1993年10月10日
Published Date 1993/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436900714
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脳神経外科を専攻するわれわれにとっては避けて通れない脳死・脳蘇生の領域にも,多くの優れた先達がいる.いずれも他の領域でも立派な仕事を残している知名の大家である.この機会に筆者がさいわい謦咳に接することができたこれらの忘れ得ぬ人々について,いくつかの思い出を拾ってみよう.
Dr.Maurice Goulon 1959年にP.Mollaretと共著で発表した“Le coma dépassé”と題する論文は,ながく脳死研究の歴史に残るものである.すなわちC.Barnardの最初の心臓移植よりも8年も前に,脳死患者23例の生命徴候,神経症状および脳波所見を詳しく分析した.そして脳死状態の昏睡と,他の昏睡とを区別すべきことを指摘し,前者を論文の題名のように「超昏睡」と呼んでいる.
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