焦点 看護実践能力育成の充実に向けた大学卒業時の到達目標
「看護学教育の在り方に関する検討会(第二次)」を終えて
石井 邦子
1
1文部科学省高等教育局医学教育課
pp.435-439
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100411
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はじめに
平成16年3月26日,看護学教育の在り方に関する検討会から,「看護実践能力育成の充実に向けた大学卒業時の到達目標」と題した報告書が,文部科学省高等教育局長に提出された。本検討会は,平成14年3月に第一次報告をとりまとめており,今回が第二次の報告となる。
平成4年の「看護師等の人材確保の促進に関する法律」の施行を受け,文部科学省では,資質の高い看護職者の育成をめざし,看護系大学の設置に取り組んできた。平成16年4月現在,119の看護系大学が設置されるに至った。看護職者育成が4年制大学で行われていることが周知されつつある今日,大学教育が社会の要請に応えられる看護職者を輩出できているかどうか,その成果が問われている。
文部科学省が本検討会を開催したねらいは,各看護系大学における教育の質向上のためのたゆまぬ努力を後押しし,看護学教育のさらなる充実を推進すること,そして,看護系大学における教育の実際を社会に提示することであった。検討会発足当初より,大学での看護学教育充実の重要な課題として,看護実践能力育成に焦点をあててきた。第二次報告では,看護実践能力の学士課程卒業時の到達目標が明示され,到達度評価の必要性や実行のための課題についても触れられている。
本稿では,検討の経緯における特徴的な議論を紹介し,看護学教育が抱える課題や今後の方向性について言及したい。
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