焦点
第93回看護師国家試験を終えて―必修問題の策定について考える
荒井 碧
1
1社会保険中央看護専門学校
pp.368-371
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100400
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はじめに
例年と異なる方式(必修問題30題の導入,それに伴う試験問題数の増加,試験時間の延長,さらに出題問題の公表がされない,また各受験生に得点が通知される等)が導入された第93回看護師国家試験の合格発表がされた。
看護師の全体の合格率は91.2%,今年度から導入された必修問題の絶対基準は24点/30点,一般問題,状況設定問題は162点/270点であった。
そもそも国家試験とは資格試験であり,看護師として良質の医療サービスを提供するために最低限満たしていなければならない看護の質を,国家が国民に保障する手段の1つである。したがって,その時代の医療事情にあわせて適時,変更されるのは当然であり,その対応については,現在の社会情勢とも適合していることが望ましい。つまり,世の中が情報開示に向かっている今日,看護師等国家試験の試験問題が公表されないことにはどのような意味があるのかと,はなはだ疑問である。
国家試験問題が公表されていない中で,問題の妥当性云々をいうのは,犬の遠吠えの感もあるが,試験後の学生のフィードバックをもとに,第93回看護師国家試験―特に新たに導入された必修問題を中心に感じたことを述べてみたい。
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