特集 災害看護の現場から─災害看護学構築に向けて・1
看護学生からみた災害看護―いま福井豪雨を振り返って感じること
野口 宣人
1
1大阪市立総合医療センター心臓血管外科病棟
pp.134-136
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100218
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災害看護への誘い
私は看護専門学校を卒業してから,看護研究を学びたい一心で大学に編入学した。急性期看護に関心があり,また先輩から酒井明子先生の研究への思いを聞き,酒井ゼミを選択した。先生が災害看護論の授業をされていることはもちろん知っていたが,実は当時災害看護にそれほど興味がなかったのが正直なところである。しかし,偶然にもゼミ生だったときに,新潟県で豪雨災害が発生しボランティアに行ってみないかと誘われ,参加した。
そして新潟県での活動から帰ってきた翌日,テレビをつけると町が泥水に覆われ,家が流されている様子が映し出された。初めは新潟県の被災現場であると思っていたが,どうも違うことに気がついた。TV画面の右端に「福井市からLIVE」と字幕があった。まさか福井も?と思い先生に連絡した。するとすでに現地に入っておられ,その夜には研究室に学生を集めて,今後の行動計画を立て,翌日には有志だけで活動に入った。
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