特集 災害看護の現場から─災害看護学構築に向けて・1
JR西日本脱線事故被害者を受け入れた兵庫医科大学病院看護部
永井 祐子
pp.121-128
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100216
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2005年4月25日午前9時19分,JR西日本列車転覆事故は起きた。死亡者107人,負傷者555人(2005年8月19日現在)という未曾有の事態。テレビ画面には,混乱する事故現場で多数のけが人が運ばれる映像が映し出された。
地域の人たちの素早い救助,安否を問う家族,犠牲となった乗客,マンション住民,JRの責任……。それぞれの立場から検証が報告された。しかし,100人以上もの負傷者を受け入れた病院の決断,黒色のトリアージタッグを付け続けた医師や看護師の心情,ERで患者をケアした看護師自身が精神的に追い込まれたことなど,医療者の話はほとんど知られていない。
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