特集 看護学校の危機管理
看護専門学校における「災害時行動マニュアル」の作成―9校の連携・協働による活動経過報告
増田 恒子
1
,
大橋 冨士子
1
,
飛鷹 初江
1
,
日森 昭子
1
,
滝口 澄子
1
,
高橋 祐子
1
,
前場 和栄
1
,
山梨 柳子
1
,
沼尻 波留美
1
,
神崎 祐子
1
,
川島 君子
1
1神奈川県看護師等養成機関連絡協議会湘南・西湘支部
pp.434-439
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100062
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はじめに
昨年は,新潟県中越地震と台風23号による災害,また最近では福岡西方沖地震があり,莫大な人的・物的被害をもたらし,人々の精神的苦痛も計り知れない。
神奈川県の中部から西部にかけて位置する湘南・西湘支部9校の看護専門学校は,地震発生(神奈川県西部地震・東海地震等)観測の強化地域に指定されている地域内にある。それぞれの学校において独自の防災マニュアルを作成し防災訓練を実施してきたが,災害発生時に瞬時に的確な判断・行動をとるために,学生用・教職員用「災害時行動マニュアル」の作成(写真1)と,それをもとにした基本的な行動様式を身に付けるための訓練を積み重ねることが急務であると考え,平成12年度より支部全体で取り組んできた。
看護基礎教育は全教育時間の約1/3が臨地実習であり,学生各自がどこにいても自己の安全を守るための行動がとれることが基本である。臨地実習施設において複数の学校が同時に実習している場合には,同じ内容の災害時行動マニュアル(以下,マニュアルとする)により連携・協力体制をとりながら活動できないかと考え,検討を重ねた。
今回,各学校の独自性を大切にしながら,支部全体で共通認識し協働してきた経過とできあがったマニュアルの一部を紹介したい。
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