ルポルタージュ
東大看護學校
花木 曲子
pp.41-43
発行日 1951年5月15日
Published Date 1951/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661906857
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看護ということが新しく解釋され,高められた其の標準をまもるべく,教育水準の高揚がはかられ,新制度に基く看護婦教育機關は,文部又は厚生大臣の直接指定するところとなつてから此處に3年目,新制高校の卒業生を對象に,看護の專門教育の火蓋を切つた看護學院は,現在までに99校あると,關係主管當局は發表しています。其の主なものは,國立病院附屬のもの,日本赤十字社病院に附屬されているもの,國立公立大學病院に附屬するもの等で,其の他は各般の施設であります。此れらの中,きくところによれば,指定に際して最も問題が多く,條件の完成も充分でないものは大學系統の學院で,中には今だに指定をうけることの出來ないところもあるということであります。
教育の最高峰と自他共に許した東京大學,舊東京帝國大學の醫學部附屬醫院の看護學校は,その榮譽ある傳統と,名聲に反して2回の指定審査に失格しています。東大としては誇のである傳統と,知識の殿堂としての獨りよがりが,世間をみない偏見となつてわざわいし,指定の條件も充し得るものであると,關係者は言つています。そこで,指定を受ける事の出來なかつたこの看護學校の實態を檢討してみましよう。
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