特集 児童虐待—保健婦の役割
支援ネット拡大へ—各地の保健婦活動から
〔吹田市〕ネットワークづくりと保健婦の役割
仕田中 アヤ子
1
1大阪府吹田保健所
pp.641-644
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902908
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要約
母子保健では,今後すべての子どもの健全な発育・発達を守るための養育全般への支援をどうしていくかが最大の課題になると思われる。保健所の把握している養育問題がある母子の数は年々増加しており,その中でも最も重要な対象は,児童虐待による発育・発達障害や死亡を防止することである。その支援は,それぞれの背景を理解した特有の援助と,地域全体で取り組むことが重要で,地域でサポートするネットワークの整備が不可欠である。
吹田市は,発達や養育の問題がある母子への支援事業として,地域で育児教室を実施するなど,すでに保健と福祉が連携した地域ケア体制の整備がはじまっている。しかし,虐待のサポートには十分ではなく,機関や職員の理解も十分とはいえない状況である。そのために,関係機関の職員が地域の虐待の実態を知ることからはじめ,それぞれの機能と役割を認識するための研修会や事例検討をかさね,ネットワークをづくりをしてきた。
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