特集 保健活動と公共性—公的責任の現代性
[“すてっぷ21”利用者の声]地域の中での子育て
熊谷 優子
pp.281
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902857
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私は4歳と2歳の2児の母で,昼間は県立高校の職員としてフルタイムで働いている。出産前,私にとっての八千代市は通勤に便利な場所でしかなかった。しかし子供を産み,育てていく中で「子供—母—地域」の3者が深い関わりをもち,核家族化や少子化が進む現代社会において,この関係がうまくいくことが重要であることに気づいた。
私の場合,日頃地域との関わりが希薄なので育児に対してかなりの孤独感を味わうことになった。公園に行ってもすでに輪ができていて入れない。しかも1年後には復職ともなると深くつきあえない。休日だけではとても人間関係など築けない。一方で,いくら自分が頑張っても思いどおりにならない子供のこと,男女平等とはいえ結局,男は仕事,女は家事育児という現状を変えられない社会など,誰かに話さなくてはいられない状態に自分が陥っていった。
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