調査報告
独居被爆者の心身の健康とQOL
三木田 明美
1
,
鳥山 ふみ子
1
,
菅崎 弘之
2
,
三根 真理子
3
,
太田 保之
4
1長崎市原爆被爆対策部
2長崎大学医学部精神神経科学教室
3長崎大学原爆資料センター
4長崎大学医療技術短期大学部
pp.49-54
発行日 1997年1月10日
Published Date 1997/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902844
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
平成7年に長崎市は被爆50周年をむかえた。平成7年3月31日現在,長崎市在住の被爆者健康手帳保持者は6万1152人であり平均年齢も65.1歳と高齢化が進んでいる。高齢者のひとり暮らしの増加は原爆による家族破壊が高齢化の中で拍車をかけている状況で,潜在的なものを含め複数のニーズや問題を有し,その対応が求められている。そこで,原爆被爆対策部の保健相談係では,平成4年に被爆者の健康づくりや日常生活援助を充実させる事業を行うための基礎資料を得るため,「被爆者の健康と生活に関する調査」を行った。この調査では独居者が14.4%を占めた。本稿では独居被爆者の生活状況と心身の健康状態の関係について解析を行った結果を述べ,今後の高齢独居被爆者への支援のあり方を考えてみたい。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.