特集 いま,医療に何が起こっているのか—保健と医療の新たな関係
阪神地域保健医療協議会の活動状況—その誕生の経緯と特性
北岡 修
1
1兵庫県西宮保健所
pp.698-702
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902825
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はじめに
昨今の混沌とした政治,経済の情勢下で,医療・保健・福祉の問題もさまざまな形で危機状況を呈しており,我々も緊迫の日々を余儀なくされている。ひたひたと押し寄せてくる少子高齢化社会。そして,高精度が期待される医療現場やターミナル・ケアの実践と倫理問題をはじめ,エイズの諸問題,増加する特定疾患,精神保健福祉問題など課題が目白押しである。また,医療費の増大が医療機関側をうるおすわけでもなく,かえって保険制度を崩壊の危機にさらしている。
さらに昨年の大震災をはじめとする自然災害やサリン事件に象徴される人的災害などへの対応,また食中毒や伝染性疾患の新しい課題に対して,新しい地域保健法が問われているといえる。
このような状況下において,阪神圏域での保健医療の現況を考えてみたい。
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