特集 災害時の公衆衛生活動
地域における災害時の救急医療体制整備の現状と今後の展望—阪神・淡路大震災以降の経緯も踏まえて
山本 光昭
1
1兵庫県健康福祉部
pp.648-652
発行日 2016年9月15日
Published Date 2016/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208503
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わが国において,災害時における救急医療体制が本格的に整備されはじめたのは,1995年1月に発災した阪神淡路大震災の教訓を踏まえ,1996(平成8)年5月の厚生省健康政策局長通知が発出された以降と言え,その通知に基づき,災害拠点病院や広域災害・救急医療情報システムなどが全国的に整備されてきた.
本稿では,厚生労働省が進めてきた対策の経緯,兵庫県および関西広域連合の取り組みの紹介,また,筆者は,阪神淡路大震災当時,厚生省健康政策局指導課課長補佐で,大震災時の緊急対応および同通知の起案を担当したことから,災害時救急医療体制整備にあたっての発想の原点の紹介,その後筆者が考える今後の展望を述べることとしたい.
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