特集 福祉領域で保健婦がめざすもの
[座談会]福祉行政で働く保健婦の現状と課題
前田 秀雄
1
,
大野 眞智子
2
,
木村 美貴子
3
,
末松 裕子
4
,
荒瀬 まゆみ
5
,
三浦 令子
6
1東京都東久留米保健所
2大阪市西成区区民室
3横浜市緑区役所福祉保健サービス課
4大分県社会福祉センター
5杉並区高齢福祉計画推進課
6秋田県由利町福祉課
pp.16-30
発行日 1996年1月10日
Published Date 1996/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902810
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前田 今日は福祉分野に働く保健婦さんにお集まりいただきました。これからの高齢化・少子化社会の進展の中で公衆衛生がどうあるべきか,保健婦が専門職としてどのように活動していけばいいのかについて,保健の分野にいる人だけで語り合っていると,ともすれば一方的な論議になりがちなので,保健分野から飛び出し,福祉の現場で活躍されている皆さんから助言をいただいて,単に福祉の問題だけでなくて,保健あるいは医療全般の今後について考えたいと思っております。
今,福祉分野がどんどん予算も人もとるのに対して,保健が浸食されて福祉に吸収されていくような危惧を感じている方も多いと思います。けれども保健の分野で働くものが,単に保健の領域を確保するという縄張り意識からではなく,自分たちのアイデンティティを持って働き,保健と福祉のアイデンティティがぶつかり合ってよりよい形で地域の総合的なサービスを展開していかなければ,結果として住民にとってよくないと思います。
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