発言席
たった一つのいのちと地球—いのち一番,金は二の次
竹熊 宜孝
1
1公立菊池養生園診療所
pp.593
発行日 1995年8月10日
Published Date 1995/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902770
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最近,『いのち一番,金は二の次』(地湧社)という小冊子をまとめました。その最後の章を“女性の出番”としました。そして,書き出しに,「米とかあちゃん粗末にするとバチかぶる」と一言書いて,その次に「男どもは争いを起こし,女たちはいのちを産み育む。オンドリは血みどろの闘争をやり,メンドリは雨にもめげずヒナをかえし外敵に立ち向かう。これ動物の本能なりや。しかし,人間どもの争いはいのちのためでなく,権力と金のために血を流し,地球のいのちまで奪おうとしている。子や孫,そして地球のいのちのために,今こそ女性は母性本能をもって立ち向かう時来たり!」とかなり激しい檄文を囲みにして出しました。少し悲壮感めいていますが,男性である私が男社会の過去を振り返り,現実を直視すれば,将来は必ずしも希望が持てないような気がします。しかし過去も現在も,世の中,女性が過半数を占めているのに何故こうなるのか。
女性は子育てで,政治,経済に関心どころか,口出しすらできなかったことは事実です。しかし,現在は,政治を動かす一票は,男女同権です。女性がつけない職場は何かあるでしょうか,しいていえば国技の相撲位でしょうか。しかし地方では女相撲もありますよ。あとは柔道,剣道,空手,マラソンなど男性顔負けの活躍です。
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