特集 「グループづくり」から「地域づくり」へのプロセス
【実践例1:既存組織の活性化】母子愛育会とともに歩んだ「子育て支援環境づくり」のプロセス
濱崎 真由美
1
,
山下 昌美
2
1さぬき市津田支所福祉課
2さぬき市健康づくり推進課
pp.652-658
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902656
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母子保健の担当保健師として,町全体の母子の健康を守るにはどうしたらいいのか――14年前,先輩保健師と業務を分担した際の課題であった。未熟な保健師が1人で地域全体の母子保健活動を担えるはずもなく,途方に暮れる一方で,母子のニーズ,保健師への期待は高まっている時期だった。
保健師1人の力ではとうてい無理。しかし,住民のなかに同じ想いの仲間が増えていけば,その人々とともに母子保健活動が展開できる。そう考えて,私は母子愛育会への支援活動にエネルギーを注いでいった。当時(平成元年),行政のなかでは母子愛育会に“お遊び集団”のようなイメージしか持っておらず,保健師が育成に関わることに対して内部では議論もあった。しかしながら,「町づくりの基本は人づくり。人づくりは母子保健から」との思いを伝え,次第に役所内部のコンセンサスを得るに至った。
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