特集 乳児死亡ゼロをめざして—福島県田村地方の母子保健活動30年
座談会
大きい母子愛育会と母子健康センターの力
八代 千代
1
,
伊藤 ミヱ
2
,
須藤 スイ
3
,
橋本 ミツ
1
,
芳賀 テル子
1
,
新妻 敬子
1
,
柳沼 サク
2
1福島県三春保健所
2福島県田村郡船引町
3福島県田村郡三春町
pp.514-537
発行日 1977年9月10日
Published Date 1977/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205891
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八代(司会) 今日はご苦労さまです。前々から皆さまにお話しておりましたけれども,医学書院で田村地方の母子衛生の実態を取材したいということで,今日はまず座談会で,船引町と三春町と三春保健所の保健婦が集まって話合いを進めていきたいと思います。
管内の過去の資料をさがしてみたら,25年頃からのがありました。一応国の施策として結核とか寄生虫などをやっていたけれども,県内の乳児死亡の実態を,その当時保健所にいた方が把握されて特別な資料にまとめたということは,やはり当管内でも高位の乳児死亡率を示していたことに着眼したからじゃなかろうかと考えます。その資料だと,全国平均で60.1ぐらいの乳児死亡に対して,142.2というような高率な地区もあったんですね。その要因を除くために,行政的にも保健婦活動の中にも,いろいろな形で重点事業として取り入れてきて,戦後30年してようやく県の平均は13.0で,当管内は11.8に下がり,全国平均にもう一歩というところに近づいたということなんです。そのためには皆さんの努力もたいへんだったでしょうし,またいろいろな組織活動などを育成するためにはご苦労があったと思うんです。当時のことを思い出していただいて話合いを進めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
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