特集 「地区診断ができない」を克服する
【事例をまとめて】地域診断は実践のプロセスのなかにある
尾﨑 米厚
1
1鳥取大学医学部衛生学
pp.618-622
発行日 2001年8月10日
Published Date 2001/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902470
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なぜ,いま地域診断か?
地域診断は,古くから公衆衛生活動の基盤であると認識されている。にもかかわらず,わが国の公衆衛生活動の現場には,「大切だとわかっているが,なかなかできない」「地域診断をしたつもりだが実感が湧かない」「保健婦学校で教わった地域診断と,現場で行っている地域診断がかけ離れている」など,地域診断を実際の活動に生かせていないという声が少なからずある。
いま,計画づくりに基づく活動が広がり,保健活動の評価の必要性が叫ばれている。それらのなかでの重要な活動段階が地域診断に他ならない。したがって,これからの公衆衛生活動のなかでは,取り組みの実施に先立って,また,活動をモニタリングし,評価するにあたっても,地域診断がいっそう重要になってくる。すなわち,一連の公衆衛生活動のなかに位置づけられ,活動に生かされる地域診断が求められているのであり,保健婦(士)になる前にだけ綿密に行うというものではない,日常活動のなかに根づいた地域診断が求められているのだといえよう。
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