特別記事
インタビュー—変わろうとしているタイの保健活動と教育—力二夕・ナンタボート氏(コンケン大学看護学部)に聞く
松田 正己
1
1静岡県立大学看護学部地域看護学
pp.284-287
発行日 2001年4月10日
Published Date 2001/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902419
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タイで進む地域保健と教育の変革
――今回の来日には,どのような背景があるのですか。
タイでは経済状況の悪化から,より効率的なヘルスケアが求められ,新しい健康政策のパラダイムが必要となっています。看護も早急な変化が求められており,看護サービス全体にインパクトを与える看護教育の変革をしなければなりません。
2000年3月にタイの公衆衛生省が「タイ東北部を新しいパラダイムの中心に」と提言し,コンケン大学看護学部では学部をあげてホリスティック・アプローチ(全体的,トータルな接近方法で,近代自然科学の分析的,要素環元的方法と対比される)による看護の教育に取り組んでいます。そこで,私はホリスティック・アプローチやホリスティック・ヘルスに関する会合に数多く出席したのですが,核となる理念がいまひとつ理解できずにいました。たとえば「スピリチュアル」に関しては,「人間にはプラス・マイナス両面の行動があり,生活の仕方が健康と関連する」という前提で,問題解決の方法が議論されているのですが,その意味するところがはっきりと分かりませんでした。
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