特集 自動化臨床検査法
血液
血球計算
東亜ミクロセルカウンター—(自動血球計数器・ヘマトカウンター・血小板自動計数器)
黒川 一郎
1
1札幌医大・中央検査部
pp.1317-1321
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908303
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原理
東亜ミクロセルカウンター(以下MCC)の血球計数機構は一口に容量検出方式と呼ばれるが,なかなか理解が困難なところがある.われわれがMCC-II型で外部からみる検出器は血球の検出回路である交流回路の一部である.検出器の中に白金電極が検出孔をはさんで対立し,その間隔は85μで電極面は直径80μの円型で表面はゆるい球型をなし,互いに前面に突出し,その外面はルビーで覆われ摩滅を防ぐように設計されている.検出回路中の発振器から普通無線通信機で使われる程度の3.5メガサイクルの交流が発生し,2つのコースを通りそれぞれが第一,第二入力と呼ばれる.第一入力は直接位相弁別回路にはいる.第二入力も交流であるから検出回路の電極を通り同じく位相弁別回路にはいるが,互いに一定の位相差を保っている.検出器自体は一種の蓄電器と考えてよいが,検出器が生食に浸っている時,信号は発生しないようになっている.いま誘電率の高い,血球が通過すると検出回路の静電容量は通過した血球の誘電量だけ当然変化するから第二入力の出力が変化し,したがって第一,二入力間の位相差は変化する.長谷川1)によれば高周波条件下では位相差変化の大きさは通過血球の容積に直線的に比例するという.
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