連載 地域ケア もう一度考えてみませんか?・1【新連載】
生の高齢者像
備酒 伸彦
1
1兵庫県立但馬長寿の郷・理学
pp.420-422
発行日 2000年5月10日
Published Date 2000/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902192
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連載のはじめに
この連載では毎回1〜2の事例を通して,これからの時代に,本当に役に立つ地域ケアサービスについて考えていきたい。
私は理学療法士として,病院での高齢者リハビリテーションに11年間携わり,その後,6年を地域ケアの現場で過ごしてきた。そして今,大きな反省とともに考え直してみたいことが,「役に立つ地域ケアってなんだろう」というものである。もう少し具体的に言えば次の3点,①ケアサービスを提供する側の都合ではなく,サービスを受ける側の論理で仕事をしてきただろうか。②立つ,座る,歩くといった,目に見える「行為」だけに偏った視点で,サービスを受ける人々を見つめてこなかっただろうか。③提供されるサービスに客観的な科学性はあったのだろうか。ということを率直に自省してみたいというのがこの連載を始める動機である。「何をいまさら,勝手に考えていなさい」という声を覚悟の上で,今回から12回にわたって拙論をお届けしたい。第11回は連載全体を通してのテーマでもある,「われわれは高齢者の本当の姿を見ているだろうか?」でいこうと思う。
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