特集 保健婦の地区活動を再考する—ニーズ把握事例集
地域診断事例—統計資料に基づいたニーズ把握と保健計画の立案について
西田 茂樹
1
1国立公衆衛生院保健統計人口学部
pp.804-810
発行日 1999年10月10日
Published Date 1999/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902050
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はじめに
公衆衛生分野における地域診断の重要性については,何十年も前から度々指摘されてきています。また現在の地域保健法の時代に保健婦がなすべき業務の1つとしても,地域診断があげられています。しかし,多くの文献や書籍の中で,地域診断は必要であり重要であると記述されてはいるものの,どのようにして行うのかという具体的な方法を示しているものは稀なのではないかと思います。比較的詳しく書かれている文献でも,診断を行うべき項目を列挙しているのにとどまっており,それらの項目をどのように取り扱うかについては記述されていないように思います。その結果,多くの方々は地域診断を実際に行おうとしても,どのように考え,実施すればよいのかが,よくわからないというのが現状ではないかと思います。筆者は過去において,地域の健康づくり運動への支援や国立公衆衛生院での学生指導の場面で,地域診断に相当する作業を何度か経験しました。筆者自身が地域における責任者として地域診断を実施したわけではないので十分な内容とは言えませんが,読者の参考になればと思い,地域診断に対する筆者の考え方と,実際に地域診断的な作業を行った一例を紹介します。
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