特集 思春期の健康—現代の抱える心の問題
学校保健の現場から—中学生の現状とスクールカウンセラーとしての関わり
ヴィヒャルト 千佳こ
pp.459-464
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901788
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
要約
学校で感じることは,子どもたちの元気のなさや社会性の遅れである。子どもたちは自分らしさを失い,親の決めた道をただやみくもに走らされているようにみえる。
背景として,塾などで余裕のなくなった日常生活,母性や父性がうまく機能していない家庭,今まで人間とのつきあい方を習う機会がなく他人と情緒的な交流ができないままの学校生活,そして何よりも精神的に自分自身を見失っていることなどが考えられる。
子どもたちの問題が顕在化する場となった学校では,不登校,いじめ,対教師暴力,非行などさまざまな状況が発生している。スクールカウンセラーとしてこれらの問題解決のために,保護者や教師をサポートするために,教師とは異なるスタンスでアプローチすることが大切である。また,それぞれの立場を踏まえながら,教師や養護教諭と連携して仕事をすることも重要である。
仕事を通してスクールカウンセラーの専門性を周囲に理解してもらうことが今後の課題である。
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.