連載 病と看護の視座—リンダ・リチャーズの人と思想・7
マサチューセッツ総合病院(その2)
小野 尚香
1
1大阪大学医学部保健学科
pp.580-583
発行日 1997年7月10日
Published Date 1997/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901606
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1873年11月,マサチューセッツ総合病院看護学校Massachusetts General Hospital Training Schoolは,「女性の自立を可能にする魅力ある職業」1)の育成を目的に設置された。
その頃,近代科学を背景に変わりつつある医療に対応できる看護婦が求められはじめていた。臨床観察と屍体解剖を利用した19世紀半ばの病院医学は,台頭した近代科学によって,その後,大きく変化した。病理学,生理学,薬理学などの研究成果が医療に取り入れられることによって,病気の措定,意味づけ,治療法が変わった。そして,外科の分野では,麻酔や消毒法が必要不可欠なものとなりつつあった。
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