続・ホスピス アメリカ合衆国の末期医療の現場報告・2
マサチューセッツ大学病院の緩和ケア病棟[1]
柏木 哲夫
1
1淀川キリスト教病院精神神経科
pp.203-207
発行日 1982年2月1日
Published Date 1982/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919476
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緩和ケア病棟とは
マサチューセッツ大学医学部のメディカルセンターはボストンの西約65kmのウースター(Worcester)にある.このセンターは6年前に建てられた新しい400ベッドの総合病院で,3600人の従業員が働いている.この病院に緩和ケア病棟(palliative care unit)が開設されたのは1978年であった.palliative care unit(以下PCUと略す)はホスピスとほぼ同じ意味に用いられる.
palliative care(緩和ケア)とは,末期癌の患者に抗癌剤の投与など積極的な治療を施さず,末期癌に伴う痛みや不快な症状を緩和することを目的とするケアを意味する.前回紹介した聖ロカ病院のホスピスは,病棟を持たない,いわゆるホスピスプログラムであったが,このPCUは病棟を持つホスピスと考えてよい.
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