海外留学 不安とFUN・第59回
ボストン・マサチューセッツへ行く!・3
中川 迅
1,2
1Schepens Eye Research Institute
2東京医科大学眼科学教室
1Schepens Eye Research Institute
pp.1566-1567
発行日 2020年12月15日
Published Date 2020/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410213859
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ラボで感じた他国と日本との違い
ラボで始めた研究はこれまで私が長年行ってきた感染症関連の研究ではなく,全く新たな学問を1から始めた状態であった。新しい知識を英語で習得するのは大変で,いまだに苦労している。最も辛いのは,あることに対して皆で議論している際に,話している内容が聞き取れないときだ。議論が白熱すればするほど会話も早くなり,よりわからなくなる。また,私と同じように他国からのラボのメンバーは,私と同じく母国語ではない第2か国語として英語を話している,にもかかわらず圧倒的に上手い。そういった現実と向き合い,自分の不甲斐なさを,悔しさを日々感じながら過ごしていた。
現在は,少しずつではあるが,最初の頃に比べれば耳が慣れてきたと感じている。言い回しも,周囲の人の言い方を真似して取り入れていき,少しずつ進歩している。こういったエピソードはボストンの日本人研究者仲間と話すと,皆大体同じような経験をしており,やはり日本人の多くはさほど英語が得意ではないということ,裏を返せば英語が苦手でも留学に来ている人がそれなりにいる,ということを知ることができた。
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