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連載 海外文献紹介—東京大学医学部地域看護学教室からの発信・2
お年寄りの脅かされた自律性に対する1つの新しい見方:力を弱めるプロセス
Carol L. Mcwilliam, Judith B. Brown, Janet L. Carmichael : A New Perspective on Threatened Autonomy in Elderly Persons : The Disempowering Process, Social Science and Medicine, 38( 2 ), 327- 338, 1994.
福田 庸子
1
1東京大学大学院医学系研究科保健学専攻修士課程(地域看護学)
pp.151-155
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901323
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はじめに
近年,患者が自らのケアに参加できるように力をつけていくことが注目され,理論家や研究者は患者の自律性に焦点をあてるようになった。高齢患者の自律性には,医療上の意志決定への参加に対する態度,医療ケア提供者との関係,患者の自分自身に対する感情,ケア提供者の期待やアプローチの傾向などの変数が関連する。また,これまでの研究で,患者自身の心持ち(個人の目的,意向,意志を反映する考え方や感じ方)が,家庭でのケアの管理に重要な役割を果たしていることが観察されている。そこで,本研究では「高齢者の退院経験の中で,患者と専門的ケア提供者との間の相互作用の本質は何か」という課題の下に,専門職ケアの相互作用的経験,特に自律性の脅かしに対する患者の心持ちの関連について詳細に示すこととした。
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