特集 保健所の機能強化を考える
これからの保健所保健婦と基礎教育
保健婦に求められるケア・マネージメント能力と連携・企画調整能力の育成
安斎 ひとみ
1
1東京医科歯科大学大学院医学系研究科
pp.1119-1122
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901294
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年,長寿社会において長期ケアを必要とする慢性疾患患者の増加・在宅医療技術の進歩・医療法の改正などから,在宅ケアのニーズが高まり,病院からの訪問看護,老人訪問看護ステーションや在宅介護支援センターの設立など,地域の中でめまぐるしい変化が見られるようになってきている。それらとあいまって,地域で生活する長期ケアを必要とする人々への,サービスを提供する側の保健・福祉・医療の連携や調整の必要性が生じている。また,地域で必要とされるサービスを創り出したり,今ある地域のサービスを調整したりするコミュニティケアのマネージメント能力が,自治体に働く保健婦に必要な機能として求められている。
1986年に採択されたヘルス・プロモーションの理念に基づいたコミュニティ・ヘルスの推進役としての保健婦への期待や,現在から将来を臨んだ地域での保健計画や,政策への専門的な立場での参画は,住民の健康に責任を持つ立場にある自治体に働く保健婦の機能としても重要なものといえる。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.