特集 保健所の機能強化を考える
私の考える保健所保健婦活動
市町村と保健所を体験した保健婦の私見
戸森 良江
1
1埼玉県花園町保健衛生課
pp.1092-1095
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901289
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はじめに
今年は戦後50年ということで,終戦記念日を中心に,さまざまな催し物が行われました。それらの催し物が,国民1人ひとりに戦争について考えるきっかけになったかどうかは別にしても,50年という歳月を経た今,過去の日本の歴史を踏まえながら,今後の日本を考えていくための一歩としては必要なことなのだと思います。
保健の分野から戦後をみると,結核死亡者の減少,それに変わる成人病の台頭が大きく取り上げられるでしょうが,昨今は,昨年制定された地域保健法に絡む事項が大きな比重を占めているようです。わけても,保健所とそこで働く保健所保健婦については,甘いも辛いも取り混ぜたさまざまな論議がなされています。これも,今後の地域保健を考えていくために必要なことだと考えます。なぜなら,保健婦規則が昭和16年に制定されてから,今年で戦後よりも長い54年の年月が過ぎようとしていますし,保健所法などは昭和12年に制定されているのですから。時代の変遷とともに,変わる必要のあるものは変わらなければならないのです。ただし,これらの論議が地域保健法制定に絡んだものとしてではなく,時代の必然という面から論議されていればなおよかったと思います。
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