連載 家族を考える・12
ホスピスケアと家族
白石 智子
1
1聖隷三方原病院
pp.1004-1005
発行日 1995年12月10日
Published Date 1995/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901271
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私たちのホスピスでは,病室は生活の場だと考えている。皆,家に帰ることができればそれが一番であるが,今はまだ家で療養したり,看取ることが難しい状況であるし,患者さんや家族の不安も大きい。そこで,入院ではない限りなく家に近い環境が必要になってくる。形を変えた訪問看護だと言ってもいいかもしれない。だから,家族抜きでは患者さんのことは考えられないし,家族の力は,患者さんがより良い時間を過ごすために大切なものになってくる。しかしそれは,必ずしも家族がいつも側にいるという意味ではない。人の存在は個人ではなく,それを取り巻く人々の中で成り立っているということである。
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