特集 老人の虐待
訪問看護を通して「老人虐待」問題を考える
澤田 咲子
1
1世田谷区社会福祉事業団訪問看護ステーションけやき
pp.533-536
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901172
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高齢化社会が驚くほどの早さで進行している。一方,家族像も多様化し,家族形態や家族関係に大きな変化を見せている。それに伴い,老人介護が大きな社会問題となってきた。
介護は大変な仕事である。24時間体制で,日曜も祭日もない。病気や障害の程度によっても異なるが,療養者が今までどのような生活を営んできたか,家族とどのような関係であったか,また療養者や介護者の性格的なものまでが介護に関係してくる。介護者が一見,虐待と思われる行動に至るには,やむにやまれぬ追いつめられた事情や多くの問題が凝縮されているようだ。14年間の訪問看護の体験を通して,介護に見る「老人虐待」について考えてみたい。
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