老人たちのいる風景・3
老人の問題を同じ重さで考える—老人看護を考える会
M
pp.315
発行日 1983年3月1日
Published Date 1983/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919813
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Kさんという老人が自殺をしました.私どものホームでは初めての出来事でした.驚きはあったものの,職員からも,老人たちからも哀惜の言葉や同情も見られませんでした.気の毒というより,むしろほっとした気持ちが強かったのです,私もその1人でした.
どうして1人の人間の死に対して,涙も哀惜の言葉もなかったのでしょうか.Kさんは,2つの老人ホームを経て入所してきました.目分勝手で,要領だけは人一倍いい.他人のいやがることを平気でするので老人からも嫌われていました.職員からも‘どうしようもない老人’と見られていました.
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